鴻海傘下に入るシャープ、今後の株価の見通しは?

経営支援先を巡って迷走を続けていたシャープが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ることを正式に決定しました。はたして外資の元で体質が変わり、企業再生がなされるか注目されます。発表直後に乱高下した株価はどうなるのか、今後の見通しを探ります。

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「6753 シャープ」チャート(出典:SBI証券)

偶発債務の表面化で交渉期限を延期

2月24日、シャープの再建にまたも暗雲がたれこみました。新たに3,500億円の偶発債務が表面化したことにより、交渉期限を1~2週間延期する事態になったからです。

今回、鴻海が示したシャープへの出資・融資額は7,000億円という巨額なもの。シャープ株式の66%を取得し、子会社化します。両社はかつて2013年に資本・業務提携を目指し、鴻海が出資することで基本的に合意しながら、白紙になった経緯があります。その経験から今回も実際に締結するかどうかはまだ予断を許しません。

鴻海精密工業は、電気機器受託製造の世界的企業で、2015年12月期の売上高は15兆円とシャープの約5倍。提携が実現すれば国内電気大手が初めて外資の傘下に入ることになります。

思惑から株価は乱高下、短期筋の餌食か

シャープ株は1月13日に108円の安値を付けたあと、支援先の決定が近いとの思惑から急騰し、2月5日に186円の高値を記録。その後急反落するも、2月20日に鴻海との正式締結に向けた取締役会を開くとの報からまたも急騰して180円台を回復。

そして偶発債務の存在が明らかになると一転して五月雨的な売りを浴び、3月1日終値は128円と急騰前の水準に逆戻りとなりました。

上図のようにM字型のチャートを描いています。ふつう仕手株の場合は相場が終わると元の株価水準に戻ったあとは横ばいになるものですが、M字型のチャートになるのは極めて稀です。それだけ投資家の関心が高いということを物語っていますが、短期筋には魅力的な銘柄なのでしょう。完全に投機的な値動きになっています。

産業革新機構が控えており、倒産リスクは低い

さて、問題は万一鴻海との交渉が決裂した場合、倒産に至る可能性があるかどうかですが、シャープにはもう一件、産業革新機構が支援に名乗りをあげています。鴻海が降りれば即座に交渉を開始することになるため、経営破綻のリスクは低いといえます。

こちらのサイドにはみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が支援を表明しており、むしろ産業革新機構の方が支援先としては現実的といえなくもありません。経営再建案にはジャパンディスプレイと液晶事業を統合する計画があり、やはりシャープの液晶技術の高さは捨てがたいものがあります。

ただ、白物家電を東芝に統合するという案は、東芝の不祥事でそれどころではなくなっており、イメージダウンが懸念されます。そのあたりもシャープが鴻海に決めた要因にあったのかもしれません。

シャープ株価、今後の展開は?

シャープの株価は今後どうなるのでしょうか。直近の高値は186円で、安値が108円。当面正式に契約が締結するまでは、この範囲の値動きにとどまるとみてよいでしょう。正式に鴻海傘下に入った場合でも、すでに株価は織り込み済みの可能性が高く、高値を抜いて200円台になるかどうかは微妙な状況です。

少額だけマネーゲームと割り切って買うならいざしらず、シャープはまともな投資先にはならない状態にあります。現状のシャープ株を買うことはおすすめできませんが、どうしても買いたい場合は、最新情報をしっかりチェックし、少額の投資にとどめた方が良いでしょう。

シャープが「第2のソニー」になれるかどうかは、正式に鴻海の傘下に入り、実現性のある経営再生計画が打ち出せるかどうかにかかっています。本格的な買い出動は将来像が明らかになってからでも遅くはありません。


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