連日のように経済ニュースをにぎわす東芝。同社の話題が出ない日は無いくらいもっとも大きな関心を集めている銘柄です。好材料と悪材料が激しく対立する中、ニュースの内容によっては、株価が大きく動く可能性があります。

そこで、レバレッジ効果で大きな利益をあげることができる、信用取引の空売りを徹底解説します。

空売りって何?信用取引の基礎知識を知る

ほとんどの商取引では始めは買いから入ります。持ってもいないものを売ることはできないからです。ところが、唯一売りから入ることができる制度が信用取引の空売りです。

持っていないものを売るので、空売りと呼ばれているわけです。

この場合、自分では株を持っていないので、証券会社から借りることになります。これが貸株と呼ばれるものです。

また、信用取引には、一般信用取引と制度信用取引の2種類があります。

一般信用取引……投資家と証券会社が直接契約を結ぶ取引です。投資家は借りた株に対して金利を加えて返済する必要があります。金利や期限を証券会社で決めることができますが、金利は制度信用取引よりも高くなります。

制度信用取引……証券取引所が指定する選定基準を満たした銘柄のみが対象になる取引です。その分優良銘柄のみに投資できるため、信頼性があります。金利も一般信用取引よりも低めに設定されています。

ただし、返済期限が6か月と決まっていて、金利も証券取引所が取り決めた率になります。

したがって、銘柄によっては制度信用では取引できないものもありますので、あらかじめ確認する必要があります。

東芝株の空売りは有効か?

では、実際に東芝株を空売りすることは有効な投資方法なのか分析してみましょう。

株価は一般的には、上がる時よりも下がる時の方がペースは速くなります。下記に紹介する2社のチャートを見ればわかるように、赤い色の陽線よりも、青い色の陰線の方がローソク足が長くなっています。

これは好材料よりも悪材料が出た時の方がパニックになりやすいという人間の心理による要因が大きいものと思われます。「空売りで大きな利益をあげた」という話はよく聞きますが、「信用買いで」という話はあまり聞きません。

東芝のチャートで見ると明らかです。


6502 東芝チャート(出典:SBI証券、以下同)

2016年9月から12月にかけ、一貫して上昇チャートを描き、475円20銭の高値を付けました。

ところが、原子力発電事業で巨額の損失が出るとの発表で事態は一変、12月27日から29日にかけて窓を開けて大暴落を演じました。3か月分の上昇を帳消しにし、232円と半値まで下落する予想外の展開に。

これが買いから見た場合の株式投資の怖さでもあり、空売りの魅力でもあるのです。

もし、400円台で空売りを仕掛けていれば、200円台の安値でいくらでも買い戻し、大きな利益をあげることができたでしょう。

その意味では東芝の空売りは有効といえます。問題はどのタイミングで売りを仕掛けるかですが、それには空売りの勝ちパターンを知る必要があります。

空売り投資の勝ちパターンとは?


6794 フォスター電機チャート

信用売りに向いた例としてフォスター電機のチャートを紹介します。株価には上昇に向かうと、直前の高値に近づいていく習性があります。そして、待っていましたとばかりに戻り売りを浴びて、再び下落に転じます。

そこで、このパターンに乗っている銘柄に絞れば、空売りで利益をあげる確率はかなり高くなるといえます。

フォスター電機はほぼ1か月ごとのサイクルで上昇・下落を繰り返していますので、それぞれの天井圏に来たら売るというパターンに徹すれば、利益をあげるポイントはいくつもあることになります。

東芝は戻り高値挑戦時が空売りのチャンスか

再び東芝のチャートをご覧ください。では東芝の場合はどうかというと、こちらは一方通行のチャートになっており、フォスター電機のような山場がありません。

東芝の2017年3月8日終値の株価は220円70銭です。3月3日には、保有する東芝機械株を153億円で売却したと発表。資産の切り売りで懸命の財務立て直しを続けています。

東芝グループの上場企業はまだまだあり、今後も保有株の売却を続ければ債務超過を解消できる見込みが立ちそうです。そうなると中期で再び上昇波動に乗る可能性があり、その場合はフォスター電機のパターンに当てはめると、暴落後の戻り高値である307円20銭を目指す展開になるでしょう。

その時が東芝株の絶好の売り場となります。もちろん、好材料が出ればさらに上に突き抜ける可能性もありますが、業績からして上値は知れていますので、それほどのリスクなく投資できます。

結論としては、底値圏の現在は様子見とし、300円近辺の戻り高値圏に来たら売りという戦法が妥当といえます。

参考:東芝不正問題で株価暴落中!買うべきか?空売りすべきか?

手数料無料のSMBC日興証券がお勧め

さて、実際に空売り投資をする場合、どこの証券会社を選んだらよいでしょうか。もっともお勧めなのが、SMBC日興証券です。

同社は信用取引の委託手数料を無料にしている唯一の証券会社だからです(2016年12月現在、ダイレクトコース利用時のみ)。ダイレクトコースとは、インターネット上で完結する取引で、店頭取引や、オペレーターを介しての取引は対象外となります。

「日興イージートレード信用取引」のサービス概要は以下の通りです。

・金利……信用売りの場合は無料、信用買いの場合は2.5%。
・貸株料……売り買いともに1.15%。
・委託保証金……約定代金の30%以上かつ30万円以上。
・委託保証金維持率……約定代金の25%。
・代用有価証券担保率…原則80%以下。例外としてマザーズ、JASDAQグロースは60%以下。これは持っている株を担保として差し入れた場合の評価額です。

信用取引はコスト高に注意を

では、東芝の具体的な取引例とコストを見てみましょう。

【具体的取引例】東芝株1,000株を300円で空売りし、220円で買い戻した場合

1,000株×300円=300,000円で空売り
1,000株×220円=220,000円で買い戻し
300,000円-220,000=80,000円の利益

さらにSMBC日興証券では、3.3倍までのレバレッジを掛けることができるため、

3,300株×300円=990,000円で空売り
3,300株×220円=726,000円で買い戻し
990,000円-726,000円=264,000円の利益

と、さらに利幅が大きくなります。

ここから貸株料を支払うことになりますが、仮に30日間保有していた場合は、

990,000×1.15%÷365×30=935円

短期売買ならそれほどの額ではありませんが、6か月(180日)になると5,614円、1年なら11,385円とそれ相応の負担となります。

実は、貸株料よりもっとリスクが大きいのが「逆日歩」の存在です。

逆日歩とは、買いよりも売りの申し込みの方が上回った場合、証券会社が証券金融会社(日証金など)から株を調達しなければならず、そのコスト分を売り方が負担することです。

その額は銘柄ごとによって違い、売りが多いほど高くなる厄介なものです。しかも貸株料のような年利と違い、1日いくらで計算されるため、とんでもない額になることがあります。仮に1株1円逆日歩が付いた場合は、

3,300株×1円=3,300円

となり、3日で約1万円にも達してしまいます。

市場では買い方と売り方の比率を「貸借倍率」と呼びますが、これが拮抗している銘柄がいわゆる「好取組」と呼ばれます。逆日歩が発生すると、コストの増加に耐え切れずに売り方が慌てて買い戻すため、「踏み上げ相場」となり、いっそうの株価上昇につながります。

したがって、好取組の状況になれば、逆に信用買いで利益をあげるチャンスにもなるわけで、ケースバイケースで対応することが望ましいといえます。

ちなみに東芝の2017年3月7日現在の貸借倍率は、買いが約4,620万株、売りが約4,992万株で0.93倍となっており、15銭の逆日歩が発生しています(日証金発表の数字)。

以上見てきたように、信用取引は大きな利益をあげるチャンスがあるかわりに、様々なリスクも存在します。東芝は材料豊富で面白い銘柄ではありますが、証券会社のホームページなどで日々の数字をしっかり確認し、最良のタイミングで投資されることをおすすめします。

⇒信用取引手数料無料SMBC日興証券

追記:空売り規制がある場合はCFDという方法も

空売り規制で信用売りができなくなる場合もあります。

そういった場合サクソバンク証券のCFD口座を使うという方法もありますね。

参考:サクソバンク証券CFD口座で不正株銘柄の空売りトレードをはじめてみます。