大規模データ改ざん不正事件で窮地の神戸製鋼所の今後の見通しは?

鉄鋼大手、神戸製鋼所(以下、神戸鋼)が窮地に立たされています。アルミ・銅製品を中心とした検査データの改ざん事件が発覚。

本体関連だけで200社以上、グループを含めると500社以上にものぼるかつてない大規模な不正事件に、株価も大暴落となりました。超巨大企業の神戸鋼はこの窮地を乗り切れるのか? 業績と株価の見通しを探ります。

組織ぐるみの不正で、広範囲の取引先に影響

神戸鋼のデータ改ざんはなぜこれほど大規模になったのでしょうか。もっと早く発見できなかったのかと疑問が湧きますが、原因は組織ぐるみの不正であったため、内部調査機能が働かなかったようです。

梅原尚人副社長も不正は組織ぐるみであったことを、記者会見で認めています。アルミ・銅製品の納入先は実に200社以上にのぼります。代表的な企業は以下の通りです。

スズキ、スバル、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、三菱自動車(自動車)、日立製作所、三菱電機(電機)、IHI、川崎重工業、三菱重工業、(機械)、JR東日本、JR東海(鉄道)

深刻なのは、リコール問題に発展しやすい自動車大手が7社もあることです。

大規模なリコールが次々に起これば、かつてのタカタを連想する状況にもなりかねません。

なにしろ取引先が多すぎて、補償金がどの程度の額になるのか見通せない状態です。

さらに13日には、新たに関連9社でもデータの改ざんが発覚。こちらは主力の鉄鋼に関する改ざんだけに、事態は一段と深刻さを増しています。

株価は窓を開け、記録的暴落に!

▲5406 神戸鋼チャート(出典:SBI証券)

あまりにも大きな改ざん事件の内容に株価も素直に反応しました。

10月10日の東京株式市場では、神戸鋼と関連各社の株価が軒並み急落。本体の神戸鋼は300円ストップ安の1,068円と、窓を大きく開ける大暴落となりました。翌11日も190円安の878円と大幅続落で、当面は小反発を交えながら底を探る展開が予想されます。

11日終値の878円というと鉄鋼株としては高いイメージがありますが、同社は10株を1株への株式併合を実施しており、併合前の水準に直すと100円割れの状態です。

神戸鋼は第2の東芝になるのか?

さて、神戸鋼の今後の業績や株価の見通しはどうなるでしょうか。

前2017年3月期は無配でしたが、業績回復によって今2018年3月期は復配を予定していました。それだけに株主のショックは大きく、投げが投げを呼んでいます。

この不祥事によって業績の大幅な悪化は避けられず、復配は見送られることが確実となりました。そうなると利回り採算を狙う、いわゆるインカムゲインの買いが入らなくなります。

10日の300円安がセーリングクライマックスであったとしても、今後もじり安の展開が続き、株価水準を切り下げていく可能性が大です。

こういうケースのナンピン買いは損失を拡大させるリスクがありますので、避けた方が無難です。ナンピン買いでコストを下げたいのであれば、本当の大底を確認してから投資することをおすすめします。

問題は神戸鋼の業績悪化がどの程度のレベルになるかです。債務超過の事態に陥るなら第2の東芝になりかねません。

同社の2017年6月末の財務データは以下のようになっています(単位百万円)。

・総資産   2,337,666
・自己資本  696,081
・自己資本比率 29.8%
・資本金   250,930
・利益剰余金 357,154
・有利子負債 796,313

神戸鋼の自己資本は6,960億円で、このうち利益剰余金が3,571億円あるので、当面はこの剰余金から補償金を支払っていくことになります。

どの程度リコールが起こるのか、どの程度の補償金を請求されるのかは個別企業によって違います。JR東海の例では、東海道新幹線にJIS(日本工業規格)不適合のアルミ製品が使用されていたと発表されており、今後部品の交換があるのかどうかが注目されます。

ただ、各企業に納入されたほとんどの製品の強度そのものは問題ないとされ、楽観的な見方もあることから、10月16日の株価は22円高の827円と小反発しています。

しかしながら今期350億円の黒字転換とされている業績予想の下方修正は確実で、赤字継続、株価500円割れも覚悟しなければならないでしょう。

東芝の上場維持が決定した途端に発覚した超巨大企業の新たな経済事件。債務超過に陥り第2の東芝になるのかどうか、当面神戸鋼の行方から目が離せません。

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