国債の長期金利がマイナスってどういうこと?為替と株価への影響は?

利息をもらえるはずの国債がマイナス金利に。2月9日、そんな異常事態が現実のものとなりました。日銀のマイナス金利導入の副作用が出た形で、円安・株高に持ち込むことで実体経済を押し上げるという日銀のシナリオとは逆方向へ向かう結果に。

なぜ国債の金利がマイナスになったのか、今後の相場の行方と合わせて探ります。

長期マイナス

マイナス金利とマイナス利回りの違い

この報道をテレビのニュースで聞いた時、一般の視聴者は「国債って元本保証なんじゃないの?」と思われたことでしょう。

銀行が日銀の当座預金に預けた場合、金利を取られることはすでに報道されている通りです。では、国債を持っていると金利を払わないといけないのかというと、そういうわけではありません。

国債のマイナス金利とは、市場で額面よりも高く買われることによって生じる、満期時の目減りを表しています。したがって、マイナス金利ではなく、マイナス利回りと表記する方が実態に即しているといえます。

国債の利回りがマイナスになるメカニズム

では、実際に国債の利回りがどうしてマイナスになるのか、具体例で見てみましょう。

例えば、元本100万円分の国債を年利1%の条件で購入した場合、1年後の満期時には元利合わせて101万円が返ってきます。

ところが、日銀が大量に国債を購入したことにより市場価格が上がってしまいました。その結果、102万円で買った投資家は、満期時101万円しか受け取ることができず、1万円の損失が出ます。この損失額が利回りでいうとマイナス1%になることから、マイナス金利と呼ばれているわけです。

もちろんこれは市場に流通している国債を買った場合の話で、募集時に買って満期まで保有する通常の投資であれば、きちんと利息は付きますので心配はいりません。

世界同時株安で再び円高が加速

1月29日の日銀金融政策決定会合で史上初のマイナス金利が実施され、株式市場は一時的に好感して2月1日には1万7,905円37銭まで上昇。ドル円も121円台をつけ、円高・株安の流れが変わったかに見えました。

日銀の黒田東彦総裁は当日の記者会見で、実体経済への影響について「貸し出し金利が下がり、消費が刺激されることで経済が拡大する」と、政策に自信を見せており、市場もこれを評価した形です。

しかし、上昇の流れはわずか2営業日しかもたず、株とドルが再び下落に転じます。2月3日にはドル/円が120円割れとなり、株安も加速。

この流れに追い打ちをかけたのが、国債のマイナス金利という異常事態です。景気へのプラス効果よりもマイナス金利の副作用が顕著になったことで市場が動揺したようです。

2月9日に、円は一時1年3か月ぶりに1ドル114円台まで急騰。為替と株はセットになっているため、同じ日の東京株式市場は、日経平均が918円86銭安の1万6,085円44銭と今年最大の下げ幅となりました。

ドル/円は米国景気の行方見ながら神経質な展開か

止まらぬ株安と円高に今後の株式・FX投資の戦略も見直しを迫られています。マイナス金利という異次元の金融政策が裏目に出たことで、円安・株高への支援材料を失った形になったためです。

現時点で円高・株安を招いている要因としては、原油安、中国の景気減速、米・欧・中の世界的な株安などがあげられます。原油は30ドルを割って若干下げ止まりの気配も見えてきましたが、ニューヨーク株や上海株は依然として底が見えず、日本株にも悪影響を与えています。

さらに頼みの綱だった米国景気も減速の懸念が台頭しており、外部環境は悪化の一途を辿っています。もし、減速が明らかになれば再利上げの見送りや、無期限延期というケースも考えられ、ドルの頭を抑えることになりそうです。

日米の金利差は依然として大きく、いずれドルが上昇に向かう可能性はありますが、当面は雇用統計など経済指標をにらみつつ、神経質な展開が続くでしょう。

参考:日本銀行のマイナス金利政策導入決定による株価、為替への影響について


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