2016年2月、日経平均が1万5,000円大台を割り込み、相場の先行きに対し不安心理が増しています。

弱気筋の間では、日経平均1万2,000円割れもあるのではないかとの声も聞かれ始めました。投資家として打つ手はないのでしょうか。

そこで注目されているのが、相場とは逆の値動きを示すベア型ETFです。いったいどんな金融商品なのか、内容と今後の対策をご紹介します。

ブル型とベア型の違いは?

2月12日、日経平均はついに1万5,000円の大台を割り込み、1万4,952円61銭で取引を終えました。

急落の一途を辿る株式市場ですが、この日唯一人気になったセクションが、ベア型ETFだったのです。実はETFにはブル型とベア型の2種類があります。

ブル(レバレッジ)型とは、株価指数と連動して上昇するETFです。2倍のレバレッジを効かせる場合は日経平均が5%上昇すると、ブル型ETFは10%上昇します。

一方、ベア(インバース)型とは、ブル型とまったく逆の商品設計をされており、株価指数が下がると価格が上がるETFです。

日経平均が5%下落した場合、マイナス1倍の場合は5%上昇、マイナス2倍に設定されている場合は10%の上昇となります。このマイナス2倍の商品をダブルインバースといいます。

現在上場されているブル・ベアETFで出来高が多いのが「1579 日経レバレッジ」と「1357 日経ダブルインバース」です。

買い方はいたって簡単

では、実際の価格の動きを見てみましょう。

2016年2月15日、日経平均は海外株高と円安を背景に、1,069円97銭高(+7.16%)となりました。これに対し、ブル型の「1579 日経レバレッジ」は1,360円高(+14.24%)となり、ベア型の「1357 日経ダブルインバース」は620円安(-15.12%)となりました。

ともに2倍のレバレッジが効いて、日経平均よりも2倍近い変動率を示しました。これが逆に1,000円以上急落すれば、ベア型は15%近く上昇したことになります。

下記チャートは、日経平均(図①)と「1579 日経レバレッジ」(図②)、「1357 日経ダブルインバース」(図③)の動きを比較したものです。日経レバレッジは見事に日経平均と同じ方向に動き、ダブルインバースは逆に動いていることがわかります。

ベア1
【図①】日経平均チャート(出典はいずれもSBI証券)

ベア2
【図②】1579 日経レバレッジチャート(日経平均と同じように動きます)

ベア3
【図③】1357 日経ダブルインバースチャート(日経平均と逆に動きます)

「1357 日経ダブルインバース」の直近の安値は1月29日の2,910円で、高値は2月12日の4,145円です。

この間の値上がり率は実に42.4%にのぼります。わずか2週間ほどの期間ですので、仕手株並みの急騰といってよいでしょう。これがレバレッジを効かせたダブルインバースの威力なのです。

図②と図③を比較するとまったく真逆に動いていることがわかり、ベア型ETFを組み入れることでリスクヘッジになることが見てとれます。

相場下落時に強いベア型ETFですが、買い方は簡単です。通常の株式取引画面から「1357 日経ダブルインバース」を検索し、注文するだけでOK。手数料も株式と同水準です。

ベア型ETFはボックス相場時にリスクあり

ひとつ注意したいのは、ベア型ETFには大きなリスクがあることです。

相場が一方的に下がる局面では有利なのですが、一定の幅で上下するボックス相場になった場合は、価格が目減りする特性があります。

例えば100円だった株価指数が5%下落するとベア型ETFは105円となり5円残高が増加します。

ところが、次に同じ5%上昇した場合、ベア型ETFは5%下落しますので、105×0.95=99.75円で、もとの100円ではなく、0.25円分残高が減少してしまうのです。

これはベア型ETFの価格は元の株価指数のマイナス倍動くというルールによって変動するためです。つまり、相場が膠着して塩漬けにした場合は、上下幅が同じだったとしても、残高はどんどん目減りしてしまうリスクがあります。

上記はわかりやすい例で、ぴたりその比率になるとは限りませんが、ボックス相場時には目減りのリスクがあることは考慮した方がよいでしょう。

現物買いとベア型ETFを併用でリスクヘッジ

現物株のみでポートフォリオを組んでいる場合は、今回のような急落相場に遭った場合は、ひとたまりもありません。信用買いによる追証(追加証拠金)は発生しないものの、暴落をただ見ているしかなく、保有残高が減少する一方です。

しかし、ベア型ETFを保有していれば、暴落時にもその分は利益を上げることができます。もし、相場が上昇に転じればベア保有分は評価損となりますが、現物株は値上がりになるので、どっちに転んでも良いわけです。

現物投資派の方も、ベア型ETFの併用でリスクヘッジし、さらに投資成果の向上を図ってみてはいかがでしょうか。